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歯周病が全身にあたえる影響

歯周病が体全体(全身)に影響を与えると言ったら、どのように思いますか。

歯周病が全身にあたえる影響なぜこのようなことが言えるのでしょう。それは、口のなかの歯周病菌と歯周病の炎症で生まれた成分が体中にひろがるからです。

私たちの口のなかには、健康な人の場合で約300種類、数にして2億個ともいわれる微生物が住みついています。こうした微生物は、周りの環境に応じて悪玉になったり善玉になったりするのです。

歯みがきをさぼって油断すると悪玉微生物が口のなかで増えていき、むし歯や歯周病をひき起こします。それらの悪玉微生物は、口の中にとどまらずノドから気管支、そして肺にまではいりこみます。

また、歯ぐきの中の血管にもぐりこんで、血液とともに全身の臓器へ運ばれて行くこともあります。さらに、歯ぐきの炎症のある場所で作られた成分(ケミカルメディエイター)も同じように全身に散らばります。

そして、これらが全身の病気を誘発し、最悪の場合は死に至ることも考えられるのです。このように、お口の中の病気は、お口の中だけにとどまらず、その影響は全身へと及ぶのです。

以下に歯周病と関係の深い全身疾患をあげておきましたので、参考にしてください。

●糖尿病
糖尿病が歯周病を悪化させるとともに、歯周病も糖尿病を悪化させます。歯周病は糖尿病の第6番目の合併症だとも言われています。生活習慣病である歯周病は、糖尿病と深い関係があります。近年、糖尿病患者に対し歯周病の治療・管理を行なうことにより、血糖コントロールが改善したとの報告がなされており、糖尿病(高血糖)と歯周病の間には双方向の関係があるのではないかと注目を集めています。

●誤嚥性肺炎
病気などで体の抵抗力が落ちていたりして、誤って唾液が気管に入ってしまうと歯垢(プラーク)にいる細菌が肺に感染して肺炎を引き起こすことがあります。高齢者(65歳以上)の死亡原因の第1位は肺炎です。誤嚥性肺炎をおこした患者の肺から歯周病原因菌(嫌気性グラム陰性菌)が高い頻度で見つかっています。

●骨粗鬆症
骨粗鬆症のひとは、そうでないひとに比べて、歯周病にかかっている場合の歯槽骨吸収(歯をささえる骨が少なくなっていく)の量ははるかに多くなり、歯周病の進行は促進されます。また、歯周病で歯を失うと噛む力が低下し、バランスのとれた食事をしにくくなり、からだ全体の骨密度が低下する可能性が高くなります。

●低体重児出産
妊娠が、歯周病を悪化させることがあります。妊娠そのものが、直接的な原因ではなく、妊娠初期のつわりなどの為に歯磨きが不十分となり、歯周病にかかりやすくなるのです。また、歯周病の人が妊娠した場合、7倍の確立で低体重児出産、早産などの出産障害が起こると言われています。

●細菌性心内膜炎
細菌が血管を介して心臓の冠動脈などに血栓を作ることがあり、歯周病が進行していると心疾患になる確率が3倍以上高くなると言われています。

●皮膚炎(バージャー病・掌蹟膿疱症)
バージャー病は、この病気の患部の血管試料のほとんどから歯周病菌が検出されています。すべてのバージャー病患者は歯周病と診断され、その程度はいずれも中等度から重症でした。

●認知症
認知症の進行防止・改善には、手指の運動、噛むことによる食事の改善、脳の血流改善、そして脳の活性化を図ることが有効とされています。特に、食事は毎日欠かすことができない行為であり、患者さまが自分で噛み、食事をおいしく味わえることは、認知症の防止、改善に有効なことがわかってきました。

●たばこの歯周病への影響
喫煙は体に悪さをするばかりでなく、口のなかにも悪影響がでます。通常はピンク色の歯ぐきが、メラニン色素の沈着でどす黒くなってしまいます。平均的な喫煙者は、タバコを吸わない人に比べ、3倍も歯周病にかかりやすく、また2倍も多く歯が抜けているという報告があリます。


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